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いよいよ梅雨入りのようですね。熊本は朝からしとしとと雨が降り続けています。雨が降り続けると、スピーカーの鳴りも鈍くなっていきます。気持ちもうっとうしくなりますが、どういう音楽を聴いたらいいでしょう。こういう日によく聴いている一枚が、グァルネリ・トリオ、プラハのブラームス「ピアノ三重奏曲第1番(プラハ・ディジタル PRDDSD250230 ヨーロッパ盤、CD)」です。
ブラームスには「雨の歌」という晩年に作曲したロマンティックで素敵な曲もありますが、若い時の曲はベートーヴェンを思わせる雄渾な主題を聴かせてくれるさわやかな曲あります。「ピアノ三重奏曲 ロ長調」もそんな名曲。作品8といえば、モーツァルトやメンデルスゾーンだと十代の時ですけれども、二十歳の時にシューマンに出逢い、その妻クララに恋心を持ってから作曲を本格的にはじめています。それ以前に作曲を試みていないというわけではありませんが、19歳以前のものは記録は残っていますが、自己批判を重ねていたブラームス自身が廃棄したために一切残されていません。(死後も、ブラームスは楽譜を手元に残していませんし、書きかけのスコアはクララの死後燃やしています。)
ピアノとヴァイオリン、チェロのシンプルな編成ですが、ふくらみのある響きを楽しめるのがピアノ三重奏曲という室内楽のジャンル。弦楽四重奏曲をコンパクトなオーケストラと喩えられますけれども、ピアノ協奏曲を聴くような趣を楽しみましょう。
ブラームスのピアノ三重奏曲は、シューマン、メンデルスゾーンと並ぶピアニストにとっては至極難曲。ピアニストだけが突出していてもちぐはぐ感を感じさせます。スーク・トリオの演奏盤を第一に、ボザール・トリオ、カッチェン、スーク、シュタルケルのDECCA盤、ピリス、デュメイ、ワンのDG盤。そこに一枚くわえたいのが、グァルネリ・トリオ、プラハが2007年にリリースした録音です。
グァルネリ・トリオ、プラハのメンバーは、写真奥からチェコ・ショパン協会の会長を歴任していたイヴァン・クラーンスキー( Ivan Klánský, piano )、チェネク・パブリク( Čeněk Pavlík, violin )、マレク・イェリエ( Marek Jerie, cello )。1986年に結成されたチェコの室内アンサンブルで、ヴァイオリンは1735年製のグァルネリ・デル・ジェス「ジンバリスト」。チェロはアントニオ・グァルネリの1684年製です。リリースしているCDは、Diapason d’Or, Le Monde de la Musique, Choc を受けています。
楽器の質感から全体の雰囲気までも録らえられていますので、うっとうしくて鈍くなりがちなスピーカーでも鮮やかに音像を展開してくれます。ブラームスは1854年に作曲したこの「ピアノ三重奏曲 ロ長調」を1891年に改訂していますので、晩年の習熟した技術と、若い瑞々しい楽想が相まっていて、今の季節に聴くのにはふさわしい楽曲でCDであると思います。[ JUGEMテーマ:今聴いてる音楽教えてください! ]
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Praga
(2003-12-01) コメント:Le Monde de la Musique, Choc 受賞。シューベルトの遺作となった秀逸な室内楽曲です。 |
Praga Digitals
(2005-02-21) コメント:Diapason d’Or, Choc 受賞。スメタナとスークの取り合わせ。聞き応え充分です。 |