オリジナル盤試聴記 | クラシック音楽を楽しむアマデウスレコード

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2023.05.24 Wednesday
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    1つの提言!カール・シューリヒトの理想は、シューベルトの未完成とモーツァルトのハフナーの取り合わせだったのではないかしら。

    2010.03.03 Wednesday 23:06
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      シューリヒト(カール),ブルックナー,ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
      EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)
      (2009-03-18)
      コメント:ブルックナーを聴き始めたのはカラヤンの全集が完成をしようとしていた頃でした。ステレオ録音の音場に関心が大きかった頃でシューリヒトのレコードはスルーしていたのだけれども、ブルックナーはモノラル、ステレオに関係ないとけ込んだ響きこそふさわしい。

      モーツァルト,シューリヒト(カール),パリ・オペラ座管弦楽団
      コロムビアミュージックエンタテインメント
      コメント:カール・シューリヒトをはじめてわたしが素敵だと感じたのが、モーツァルトの“リンツ”と“プラハ”の録音でした。正規のスタジオレコーディングでないから音は厚味が足りなかったけど、音楽は熱かった。シューリヒトが聴きたくて買ったわけではなかったけど、大当たりでした。

      モーツァルト,ドミトリ・ミトロプーロス,カール・シューリヒト,ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団,ロベール・カサドシュ
      ORFEO
      コメント:凄みのあるモーツァルトと一文で言い表せば、他には何も加えなくても良さそうです。誰が聴いてもモーツァルトの音楽に持っている先入観が吹っ切れるはずです。もっと普通に聴かれている曲で、もっとこういう演奏に出逢いたいものです。

       アンプラグトと言って、正規のスタジオレコーディングされたレコードのバージョンとは違ってアコースティックで演奏されたものに興味を持つように、演奏家の違いで楽しめるのがクラシック音楽。

       その中でも“幻のテスト・プレス”が聴けるとしてシューリヒト・ファンが騒然となったCDが2009年4月25日に GRAND SLAM ( GS2034 )から発売になって話題となっていました。それと聞き比べるのにぴったりのアナログ盤が、このレコードです。カール・シューリヒトは正規レコーディングのレコードが少なくて、どの録音も超高価盤であることはクラシック音楽のレコードコレクターだけではなくて、アナログレコードに関心のある愛好家には良く知られています。

       カール・シューリヒトはウィーン・フィルと、英デッカにステレオ録音を1956年に行いました。曲はモーツァルトの“ハフナー”と、シューベルトの“未完成”の2曲の取り合わせ。記念すべきステレオ録音盤としてはじめて発売されることなく、翌1957年にモノーラル盤として発売。“未完成”だけが1972年になってはじめて英DECCAから発売されます。

       ハフナーの方は、結局本家では未発売のママで英DECCAのカタログでは欠番になっています。ところがこれのテストプレス盤が存在していた。それがCD化されたといういきさつでした。1960年代に、アメリカと日本でだけがステレオ盤が発売されたと言うことです。オリジナルは英DECCA盤で聴くんだという筋金入りのオリジナル盤愛好家も、テストプレス盤を手に入れることは余程の幸運がある方のものでしょう。

       カイルベルトの“さまよえるオランダ人”も最初に発売されたのはモノーラル盤だけで、1970年代になって廉価シリーズでステレオ盤がはじめて登場していましたね。廉価シリーズだったので、3枚組になる“さまよえるオランダ人”がBOXセットではなくて、シングルジャケットで1枚1枚個別になっていたのは面白かったです。

       カール・シューリヒトの“ハフナー”交響曲だけが何故、英DECCAでは発売されなかったのでしょう。やはりカルショーの言葉は大きい存在だったのでしょう。

       モーツァルトの交響曲をなぞるような管弦楽曲を書いていたシューベルト。目指していたのはベートーヴェンであったことは知られています。でも交響曲第3番、第4番、第5番と、モーツァルト的であることは皆さんも認めるところでしょ?

       わたしはシューベルトの“未完成”交響曲の後に、交響曲第3番や交響曲第5番を一緒に聴くことがあります。それはシューベルトが書きかけた第3楽章がニ長調だから。ロザムンデと関連もあるというので、中の曲を聴くこともありましたけれどもモーツァルトの“ハフナー”交響曲をあわせて聴くって事は盲点でした。

       それを気づかせてくれたカール・シューリヒトのシューベルトとモーツァルトをカップリングしたこのレコードは、未完成を聞いたあとでハフナーを聞いて欲しいと思うほどです。[ JUGEMテーマ:なんかとっても誰かに勧めたい音楽。 ]


      オリジナルは英DECCA盤 超高価のシューリヒト シューベルトの未完成交響曲と、モーツァルトのハフナー交響曲のカップリング。

      ご利用ありがとうございます。当盤はSOLDOUTしました。

      ★今日売れた通販レコード★

      【交響曲】 
      レーベル   : 米LONDON 
      レコード番号 : B-19062 
      曲目     : シューベルト:未完成、モーツァルト:ハフナー 
      演奏 
      指揮 : カール・シューリヒト 
      管弦楽 : ウィーン・フィル

      オリジナリティ : ブラック・ラベル、溝なし

      試聴感とレコード盤、ジャケットのコンディション: 
      英DECCA録音の、米LONDON RICHMOND HIGH FIDELITY盤です。 
      米プレスのモノラル盤ですが、意外に音が良かったのでご紹介します。(英DECCAのSTEREO盤は超高価です) 
      更に演奏が素晴らしく、特にハフナーは聴いていてワクワクする名演です。カルショーに言わせると、この録音のシューリヒトはもうろくしていたというのですが......。 
      否! 断じてそんなことの無い素晴らしい演奏と言っておきます。

      盤は問題無く優秀。ジャケットは正面に若干のスレ、及び上部右に15cmほどの割れがあります。


      ⓇNM ⒿVG++ 
      価格(税込み、送料込み価格) 3,000円(3,150円)

      * * *

      シューリヒト・ファン騒然!

      幻のテスト・プレスから復刻した“ハフナー”を聴けるCD!!


      icon icon

      CDでしか音楽が聴けない時にはこちら!

      * * *


       このレコードは売れましたけれど、同様盤はご希望があれば探します。

       お問い合わせはこのエントリーに、コメントして下さい。 
       稀少なオリジナル盤を紹介しているアマデウスクラシックス( http://amadeusclassics.otemo-yan.net/ )で扱っているレコードは 一点物ですから、オーダーは先着順に応じさせて下さい。

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      《リスニングルームから》BLUENOTE 1500番台を聴く〜ソニー・クラーク:Sonny's Crib

      2010.02.06 Saturday 09:03
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        コメント:ブルーノート創設70周年を記念してのリリース。って1,100円というサービス価格が売りなのかなと思ったら、モノーラルテイクでのリリースじゃないですか。CDでモノーラルが発売されるのは初めてなのではないかしら。

        コメント:このCDの発売は1990年。1987年に初CD化されたものの再発売。3つの曲の Alternate Take を聴くことができます。ジャケットが同じなので同じ内容で値段が変わっているだけなのかと思いやすいのですけど、お蔵入りしていた曲が加えられていたりします。

        コメント:さりげなくジャズが流れる番組。毎回の使用されたジャズの曲名は番組ホームページにも紹介されているほどで、番組を作っているスタッフにオールド・ジャズに詳しい方がいるみたいです。

         


         『どこで演奏されようとジャズはジャズに違いないんだけど、ウエスト(ウエストコースト=西海岸)の連中はスイングの仕方が違うんだ。ジャズをクラシック音楽と結びつけたり、室内楽のように演奏したりね。僕の求めているものとは違う。だからイースト・コーストに戻ってきた』とソニー・クラークが言ってます。


         老婆心ながらジャズでウエスト・コーストといった場合、ロックでカリフォルニアを言うこともあるので混同しないようにしましょう。ミュージカルの『ウエストサイド物語』は不良同士を扱った西と東の争いでした。

         1957年6月23日のハンク・モブレーのレコーディングに参加してから、ソニー・クラークはブルーノートの専属ピアニストになって多くのレコーディングに参加しています。それなのにソニー・クラーク自身のアルバムは何枚と数える程度。ジャズのレコードは1日のセッションで録音してしまうことが常で、演奏に加わるメンバーは豪華。飛び入り参加のような録音もあったりします。
         誰の名前でレコード発売をするのかは、前もって決まってはいるようですけれどもネームバリュー次第になってしまうのでしょうね。
         その誰のレコードとして発売されるかというのを、リーダー・アルバムと言います。
         ソニー・クラークの場合は、録音に参加は多い(4年間の間に40の録音に参加しています)けれどもリーダー・アルバムは少ないと言うことです。


        20万円のレコード


         クルト・ワイルの名曲「スピーク・ロウ」はジャズのアーティストが好んで録音しています。1943年のミュージカル『ヴィーナスの接吻』の挿入歌だった歌の曲です。多くの録音の中でもソニー・クラークの録音は興味深い。

         1957年9月にニュージャージーのルディ・ヴァン・ゲルダーのスタジオで録音されたソニー・クラークのリーダー・アルバム第2作となった『Sonny's Crib」は、ソニー・クラークのピアノ、ポール・チェンバースのベース、アート・テイラーのドラムスというベーシックなピアノトリオのリズム隊にドナルド・バードのトランペット、カーティス・フラーのトロンボーン、ジョン・コルトレーンのテナーサックスというフロントが三管編成。ソニー・クラークではないミュージシャンのレコードとして出ていたとしても不思議ではないですね。


         『前から、コルトレーンのことは高く評価していたんだけど、これまで一緒に演奏するチャンスはなかった。きっとうまくいくはずだと思った。」 - ソニー・クラーク。

         しかしこの『スピーク・ロウ』。そのコルトレーンが先導していますが、ソロの途中で音が途切れてしまっています。どこまで演奏していたのか進行が分からなくなったのでしょうか?演奏を再開して最後まで録音されてはいますけれども何故か録り直しにならないままレコードになっているわけです。『のりがいい』のでOKテイクになったのでしょうか。

         多くの相手と繰り返し一緒にセッションに加わっているソニー・クラークですけど、コルトレーンと録音をしたのはこの1日限りです。
         “チャンス”を喜んでいるのに、どういったものだろう。コルトレーンからの相性が良くなかったのでしょうかね。レコードになった音だけでは分からないけれども、ふしぎとその音の途切れた瞬間があるからこそ何度も聞き返してみたくなる魅力があるのだと思いませんか。


          Sonny Clark BLP1576

        Sonny Clark - Sonny's Crib (Blue Note BLP 1576) Donald Byrd (tp) Curtis Fuller (tb) John Coltrane (ts) Sonny Clark (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (d) Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, September 1, 1957
        tk.2 News For Lulu
        tk.3 Sonny's Crib
        tk.7/6 Speak Low
        tk.10/9 With A Song In My Heart
        tk.12 Come Rain Or Come Shine
        ** also issued on Blue Note BST 81576, CDP 7 46819-2.


         発売されてから50年経っているこのレコード。コレクターがコレクションしていたものが多くて扱いも丁寧なクラシックのオリジナルレコードと違って、買って暫くバリバリ聴いたら処分されてしまうことの多かったジャズのレコード。ラジオではなくて携帯用のレコードプレーヤーと一緒に、ピクニックに持ち出されて聴かれたりダンスパーティで聴かれていたのですから多少の傷は当たり前、多少のチリチリ音も聴くことができることが奇跡と言えるものです。
         発売枚数も少なかったソニー・クラークのレコードは、状態の良いものは「47West63Streetラベル」だと20万円と言われるのは納得できる音。
         正し写真のレコードは、両面とも「47West63Streetラベル」ではなくB面のラベルが違うと言うことで5万円だった珍盤です。[ JUGEMテーマ:モダンジャズ ]


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        黄金の洋楽ライブ − ブラインド・フェイス −

        2009.03.27 Friday 23:00
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          価格: ¥ 3,600
          ショップ: www.0510.co.jp - レコード・CD オンラインストア
          コメント:エリック・クラプトンやジンジャー・ベイカーらによって、半年間だけ活動をした伝説のバンド「ブラインド・フェイス」の唯一のアルバム。1969年発表。

          エリック・クラプトンやジンジャー・ベイカーらによって、半年間だけ活動をした伝説のバンド「ブラインド・フェイス」の唯一のアルバム。1969年発表。

          発売日:2007/10/10
          レーベル:universal
          フォーマット:LP(国内盤)

          ●収録曲
          1. 泣きたい気持 
          2. マイ・ウェイ・ホーム 
          3. オール・ライト 
          4. プレゼンス・オブ・ザ・ロード 
          5. 歓喜の海 
          6. 君の好きなように
          Photobucket
          スーパー・ジャイアンツ
          Check out this website I found at archives.nhk.or.jp
          E.クラプトン、S.ウィンウッドほか大物ミュージシャンたちが結成したスーパーバンド、ブラインド・フェイスが、69年6月にロンドンで行った伝説のデビューライブ。 元クリームのエリック・クラプトンはじめ、有名バンド出身の大物ミュージシャンが一堂に会したスーパーバンド、ブラインド・フェイス。1969年6月、当時史上最高の10万人を動員したデビューライブから欧米ツアーを開始。8月にアルバムを発表し、英米でチャート1位となったが、ツアー終了後の10月には早くもバンドを解散した。今回は、伝説となった69年ロンドン・ハイドパークでのデビューライブをおくる。

          3月13日、午前1時から放送された、「黄金の洋楽ライブ ブラインド・フェイス」の何度目かのオン・エア。

          ロンドンの郊外で行われた無料コンサートの映像。短いインサートは、サイケデリック・ムーヴメントを英国はどのようにとらえていたのかが感じられるものです。
          広い公園の広場の中央にステージを据えて、とてもたくさんの観衆が集まっていました。公園内の自然もとてもさわやかにとらえられています。

          時間に経緯に沿って、カメラのレンズが記録した夕日の映り込みが印象的でした。
          デビューライヴだったことで、いま考えれば破格のステージが実現したのでしょう。

          そして、いま思い起こすまでもなく、スティーブ・ウィンウッドさんがエリック・クラプトンさんと活動をともにしていたことは素敵なことです。
          バンドの曲のほとんどはスティーブ・ウィンウッドさんが作曲。クリームを解散させてたあと、エリック・クラプトンさんの人気でブラインド・フェイスは注目されていました。ブラインド・フェイスが残した、「スーパー・ジャイアンツ」はエリック・クラプトンさんの軌跡にかならずあげられます。

          今では、神化されてしまった名盤とも言えるでしょう。年季の入っているロック少年だった方たちには、この「スーパー・ジャイアンツ」を所有していないのはロックを楽しむことは出来ないという考えもお持ちです。
          わたしからすれば、ほかにも優れたレコードはあるのに、レコード・リリースのカタログからこの一枚は姿を消したことがありません。それほどに定盤と言えるものです。

          わたしが学生の頃、ブラインド・フェイスを知り、楽しんでいた頃には全体のサウンド・ムードと、ヴォーカルの味わいでした。
          1969年という年は、ロックが70年代に黄金期を迎える前であり、ロックの音楽史の最もユニークなタイミングでした。

          今ではどう評価されるブラインド・フェイスで、スーパー・ジャイアンツなのでしょうか。過剰と言えるほどの桂冠は、落ち着いてきたようです。
          エリック・クラプトンさんの活動したバンドの音楽という視点でこの「ブラインド・フェイス」を俯瞰すれば、現在お座なりになる存在になってきました。それは、エリック・クラプトンさんのギター・サウンドだけに耳を傾けているからではありませんか。
          スティーブ・ウィンウッドさんのトラフィックというバンドの軌跡として、線を結んで聴いてみればいかがでしょう。

          全米チャートで第1位となった「スーパー・ジャイアンツ」。これが登場した、1969年という時間。時代を感じる想いで、わたしはこのブラインド・フェイスを楽しんでいます。
          サイケデリックだ、ブルース・ロックだと言い交わされていますけれども、時間が、時代の息吹が作った音楽だと、わたしは感じている大好きなサウンドです。

          Posted via web from littleconcert's posterous

          [ JUGEMテーマ:耳に残る音楽 ] 

          毒が溜まりやすい小悪魔は、週に一度は汗をかいてデトックス。
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          風のジャクリーヌ 遙かなる時空の中で ラスト・コンチェルト ドヴォジャック:チェロ協奏曲

          2008.05.24 Saturday 23:23
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            デュ・プレ(ジャクリーヌ),ドヴォルザーク,バレンボイム(ダニエル),シカゴ交響楽団
            EMIミュージック・ジャパン
            (2008-01-23)

            英EMI ASD 2751(1E 063 ○ 02164) 英プレス、オリジナル盤。




             71年、シカゴのメディナ・テンプルの歴史に残るレコーディングが行われました。エルガーの時とは違って、古巣EMIの録音陣が訪れてのセッションは、映像でもうかがえるようにジャクリーヌ・デュ=プレさんとご主人だったダニエル・バレンボイムのアイコンタクトに一時の幸福感を感じます。いつもより序奏部が長く思わされるのはわたしだけでしょうか。

             プロデュース、ピーター・アンドレイ。バランス・エンジニア、カーゾン・タイラー。
             大きく音響の良いシカゴのホールで録られた、EMIの音は広大に響きます。EMIはここでどのくらいのレコードを残しているのかしら、興味が湧いてきました。レコーディングはデュ=プレさんの体調に応じて、一気に行われものではないでしょうが自然な音楽の流れ、感情だけでの力強さとは好対照です。
             旧盤のようなチェロの低音がゴム毬のような躍動感は後退していますが、オーケストラとチェロがお互いを良く聴き合っているような、澄みきった心情が伝わってきます。後ろに大きく広がるオーケストラと独奏に近づけてのマイクセッティング、チェロの鳴りは計量ですが、それが目の前で弾かれているようになおさら思えます。
             このレコードを聴く時には、いつものリスニング・ポイントよりも離れた位置から楽しまれることをおすすめします。



             かわいそうなジャクリーヌさんの、チェロを通して伝わるメッセージ。最後のコンチェルトの(正規)録音となったこのドヴォジャック、録音は70年11月。25歳ですよ。翌1月23日に、フィラデルフィアでのサン=サンスの第1番の演奏会を最後に、休養を余儀なくされます。身体を大きく揺らし、ボウを振り回すようなジャクリーヌさんのほかのコンチェルトの録音とは、違う柔らかな光に包まれている瞬間があります。第2楽章の終わり近くには、未踏の領域をかいま見る思いです。終楽章と、一緒に録音されている《森の静けさ》にはジャクリーヌさんの歌は失われています。

             このジャケットにはとても愛着を感じます。わたしに似ていると母が言っています。わたしが夢中になって音楽を聴いている表情を見るのが、母は好きでした。自分の表情は見るすべもありませんが、そうかしら。この仕草はたしかに気づかないでやっています。友達にまねされて冷やかされたこともありました。
             ポートレイトのジャケットにこれほど惹かれることは、わたしにはそうあるものではありません。クリスチャン・スタイナーが撮影したポートレイトです。

             音の印象は、英オリジナル盤を聴いてのもので、CDを聴いての感想ではありません。



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            フィラデルフィア・サウンド再考のすすめ

            2008.04.10 Thursday 05:55
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              JUGEMテーマ:クラシック音楽




              フィラデルフィア管弦楽団の首席奏者たち アンコール Vol.1&2 / クラシックオムニバス
              [タワーレコード SONY CLASSICAL スペシャル・セレクション] オーマンディ黄金時代のフィラデルフィア管弦楽団のフィラデルフィア・サウンドを作り出していた首席奏者たちをソリストに起用した企画アルバム。コンサートマスターから管楽器の錚々たるメンバーまでそれぞれの名人芸を遺憾なく発揮した希少盤。世界初CD化。





              ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団
              チャイコフスキー作曲 バレエ音楽《白鳥の湖》抜粋


               1967年12月初発。日本盤ですがCBSソニー盤ではなく、日本コロムビア盤です。しかもサウンド・ラボラトリー・シリーズで45回転盤。加えて両面併せて42分と、33回転盤と同様の収録時間で聴き応え充分でした。

               名手レオポルド・アウアーが特に良く取り上げていたヴァイオリンのソロがある《白鳥の踊り》の官能的な音色が素晴らしいです。CBSやエラートの録音がまだ日本コロムビアから発売されていた頃のもので、後の日本盤とのフィラデルフィア・サウンドの印象が違います。US盤と同じステレオ360サウンドで造られています。少し低域は軽めクライマックスにはもう少し重みが欲しいところですが、ティンパニが音階を奏でる部分やハープのつま弾きなど、サブマイクのセッティング効果が感じ取れる楽器感のハッキリしたエネルギー感があります。

               フィラデルフィア・サウンドの評価の如何をCBSソニー盤とは異なることが分かりました。なにぶん昨今、後のプレスを聴いて往年の評論家の皆様方等の評価や、著筆に不安を抱くお言葉を見かけるようになって悔しい思いがします。

              フィラデルフィア管弦楽団,チャイコフスキー,オーマンディ(ユージン)
              ソニーレコード
              (1993-10-10)
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              デイヴ・ブルーベックのカンタータ「真実の崩壊」

              2008.04.10 Thursday 05:00
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                JUGEMテーマ:クラシック音楽


                米ATLANTIC SD 1606/DAVE BRUBECK 作曲/CANTATA TRUTH IS FALLEN
                指揮とオーケストラは、エリック・カンゼル指揮シンシナティ交響楽団
                それに作曲家自身。則ちジャズ・ピアノの大御所、デイヴ・ブルーベックがピアノで加わり、ロック・バンド、ソプラノ、合唱団とクラシックなんだか、ジャズなんだか状態。録音されたのは1972年ですから、革新的。
                詳細なパーソナルは以下の通り。
                Dave Brubeck (piano)
                Charlene Peterson (soprano)
                New Heavenly Blue
                 Chris Brubeck (tromone, keyboard, vocals)
                 Steve Dudash (vocals solo, violin, guitar)
                 Peter Bonisteel (perc)
                 Chris Brown (elec bass, string bass, vocal)
                 Jim Cathcart (organ, trumpet, vocal)
                 Dave Mason (lead guitar, viola, vocal)
                 Peter Ruth (harmonica, flute, vocal)
                Cincinnati Symphony Orchestra (Erich Kunzel, conductor)
                St John's Assembly chorus (Gordon Franklin, director)



                 ラベルをご覧の通り、老舗ジャズ・レーベルの正真正銘オリジナル盤。外周6時から4時にかけて、1841 BROADWAY, NEW YORK, N.Y.と有ります。後に発売されるものは、
                 MFG. BY ATLANTIC RECORDING CORP.,
                 75 ROCKEFELLER PLAZA, N.Y., N.Y.
                に変わり、同じRED AND GREENラベルですが、Red and Green/RockefellerRed and Green/Broadwayと区別されています。



                 御存知の通り、この後テラークで活躍するカンゼルの録音への熱意が感じられます。チャイコフスキーの「1812年」を録音した盤については先週ご紹介しました。
                 さてブルーベックのカンタータについてですが、ソプラノとロック・ヴォーカリストのやりとりの生々しい水準以上の録音です。
                 エンジニアはエルヴィン・キャンベル。彼が造る音は、オーディオ的美音ではないかも知れません。もし、その通りだと感じたらヴォリュームを上げてごらんなさい。ぐっとリアルに響くようになったでしょう。空気感が別物に変わります。それがこのエンジニアの特色なんです。エンジニアのさじ加減ひとつ。聴くこちらも心がけなければいけません。
                 評価の高い録音なのにおかしいなあと、別のレコードですが、そう疑問を覚えたのがきっかけで、レコード、CDを手にすると演奏者より先にエンジニアの名前を先に探すようになりました。作曲家別、演奏家別、作品分類別。いろいろと整理に工夫されていると思います。クラシックのレコード、CDはロックや、ジャズ以上に悩まされませんか。私は作曲家の生年順を大枠に、作曲された順に整理しています。エンジニア別ってのもおもしろいかもしれません。

                デイブ・ブルーベック
                イーストウエスト・ジャパン
                ¥ 1,995
                (1998-09-25)
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                最も美しいワルツ - カラヤン2度目の幻想交響曲

                2008.03.28 Friday 14:01
                0
                  JUGEMテーマ:クラシック音楽

                  http://blogrank.toremaga.com/
                  カラヤンの幻想交響曲
                   カラヤンの《幻想交響曲》のジャケットです。ベルリン・フィルとの64年録音のものです。《幻想交響曲》はカラヤンの十八番で、74年録音盤のジャケットはインパクトがありました。それにも負けない異形のデザインですごいですね。
                   PRIVILEGEシリーズのドイツ盤ですが、レコード盤のプレスはイギリスです。

                   こちらのページで新着盤をご案内しています。http://web.mac.com/amadeusrecords/home/クラシックアルバム.html
                   ウェブギャラリーのページはこちらです。http://gallery.mac.com/amadeusrecords#100009
                  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団,ベルリオーズ,カラヤン(ヘルベルト・フォン)
                  ポリドール
                  ---
                  (1990-10-25)
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                  ジャズにファゴット!?肩の凝らないユーモラス・ジャズ

                  2008.03.25 Tuesday 20:07
                  0
                    ザ・メッセージ(紙ジャケット仕様)  ザ・メッセージ
                    イリノイ・ジャケー(テナーサックスとバスーン),ケニー・バレル,ウォーレス・リチャードソン(ギター),ラルフ・スミス(オルガン),ベン・タッカー(ベース),レイ・ルーカス(ドラムス),ウイリー・ロドリゲス(パーカッション)。 1963年5月7,8日 ニューヨーク録音。
                     「ザ・メッセージ」、「ワイルド・マン」、「バスーン・ブルース」、「オン・ブロードウェイ」、「ライク・ヤング」、「ターンバイク」、「ボニータ」。曲目で分かる通り、ライトなムードの曲揃い。ジャケットに反応を示さない。音を聞いて盤ににじり寄ってこない。それは、ああ哀しいかな。
                    MESSAGE イリノイ・ジャケー!!と、このジャケットで驚喜できる貴方とは気兼ねない談義が出来るでしょう。“イリノイ(州)の鮭”と言ったフレーズも、おなじみですね。(ちなみにテキサス州はヒューストン出身だそうです。)
                     この盤のラベルはCADETですが、ARGOとそん色がないことも分かっていただけますでしょう。LPS-722とARGO盤と同じです。超優秀録音で、ジャケーがテナーでブロウするたびに、スピーカーからボワッ、ボワッと空気の密度が高く迫ります。そのとなりで小気味良いギターが、軽妙で心地よくしてくれるんです。
                     ジャケーは確かに「テキサス・テナー」の本物ですが、節度があるというか・・・品があります。音が出るときには濃密な音をするんですが、型くずれがない。
                     ジャズには珍しいバスーンも聞かせてくれます。柔らかさも、甘さもほどよく。心をほてらせてくれました。
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                    スメタナ作曲「わが祖国」クーベリック指揮ウィーン・フィル(DECCA盤)

                    2008.03.14 Friday 21:50
                    0

                       庭先に開いた椿。午後撮影。


                      庭の椿

                      JUGEMテーマ:クラシック音楽

                       今日は、クラシックのオリジナル・レコード28枚が届いた。早速試しと、クーベリック指揮の《わが祖国》から。ウィーン・フィルとのステレオ録音盤。
                       今日聴いたのは、68年にACE OF DIAMONDSレーベルで、英DECCAが発売したレコード。初版はSXL2064-5、ワイド・バンドの溝ありラベル。お値段が二桁違います。きょうときょうと。
                       初版から10年後に廉価シリーズとして2枚組をボックスではなく、一枚立てのジャケットの2枚組として発売。今回手に入れたものは、その1枚目にあたるものでジャケット裏面に、1 of 2 records setと有ります。


                      わが祖国


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                      評価:
                      ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団,スメタナ,クーベリック(ラファエル)
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                      Eydie Gorme Swings the Blues

                      2008.03.14 Friday 01:59
                      0
                        評価:
                        Eydie Gorme
                        Twinbrook
                        (1995-09-30)
                        【ディスク1】
                        1. I Gotta Right to Sing the Blues
                        2. When Your Lover Has Gone
                        3. I Got It Bad (And That Ain't Good)
                        4. When the Sun Comes Out
                        5. After You've Gone
                        6. Don't Get Around Much Anymore
                        7. Blues in the Night
                        8. Man I Love
                        9. Stormy Weather
                        10. You Don't Know What Love Is
                        11. Can't Help Lovin' Dat Man
                        12. Nightingale Can Sing the Blues
                         ヴェルヴェット・ヴォイス、少し背伸びしているような大人しいアルバム。今日聴いたのは、「イーディー・ゴーメ/スイングス・ザ・ブルース」米ABC-PARAMOUNTのオリジナル盤(ABC-192)。1957年9月初発。黒ラベルで、AM-PAR RECORDとラベル下に入っています。伴奏はなじみ親しいドン・コスタのオーケストラ。のびのびと歌っています。ブルージーな曲をタイトル通りに集め、艶やかな歌声を聴かせる。語るような仕草も媚びもなく、屈託がない。ストリングスに、ブラスが軽く絡むオーケストラと、ヴォーカルのバランスが自然。ちょっと大きめの、ホールのような空間で録音されているようなサウンドです。オリジナル盤に共通して言える“良い感じ”がこのレコードもそうでした。
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