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昭和の世には音楽学校の生徒は、流行歌を歌うことは禁止されていて吹き込みをするなんて以ての外。藤山一郎さんは小さい弟、妹たちのために流行歌手に成る事を選択。ミス・コロンビアと名乗った松原操なども、レコード会社との専属で作詞、作曲家たちが違うレコード会社の歌手に惚れてあえて歌って貰いたいと別名で提供した策もありました。が、藤山一郎さんほどの歌声は隠しようがなかったでしょう。
バロック音楽の時代、偽名で発表したオペラが大成功したヨンメッリ。NHKでの表記はヨンメルリとなっていますが、名を騰げることよりも作品に対する素直な反応を見てみたかったのでしょう。幼少期のモーツァルトが父親と旅をしながら新しい音楽を学んでいた頃に、このヨンメッリに逢っています。ヨンメッリはソロ歌手の"のど自慢"を引き立てることより物語や脚本に重点を置くことに関心が強くて、伴奏程度だった器楽合奏を充実させ合唱曲も良くしました。グルックのオペラ革新に匹敵するヨンメッリの行ったオペラ改革は、モーツァルトの幼心にしっかりと刻み込まれたようです。 http://amzn.to/oee22E
古楽の楽しみ −18世紀中頃に活躍したイタリアの作曲家−(3)
解説:今谷和徳 2011年7月27日 NHK-FMで放送
- 18世紀中頃に活躍したイタリアの作曲家 -(3)
「チェロと通奏低音のためのソナタ ト短調」 プラッティ作曲 (10分16秒) http://amzn.to/pLfQGL
(チェロ)ステファノ・ヴェジェッティ
(演奏)アンサンブル・コルディア
<Briliant Classics 94007>
「聖水曜日のためのエレミヤの哀歌から 第3曲」ヨンメルリ作曲 (24分34秒) http://amzn.to/oee22E
(カウンターテナー)ジェラール・レーヌ
(演奏)イル・セミナリオ・ムジカーレ
(指揮)クリストフ・ルセ
<Virgin Veritas 7243 5 45202 2 8>
(オーボエ)アルフレード・ベルナルディーニ
(チェロ)ステファノ・ヴェジェッティ
(演奏)アンサンブル・コルディア
<Briliant Classics 94007>
涼しく感じるクラシックとしては川や海、或いは高原を感じさせる楽曲をまず思い描きます。ダンディの《フランス山人の歌による交響曲》は、お洒落な交響曲(?)で中学生の時に出逢ってからは夏になると良く聞き返していました。夏山と言えばリヒャルト・シュトラウスの《アルプス交響曲》も聞き終えたあとで涼しく感じます。登山の途中で滝に見惚れたり、山頂に立った気持ちよさを味わう間もなく雷と激しい雨で下山を急ぐ。宿に帰り着いた時はびしょ濡れだ。
純器楽曲となればシューベルトの《ます》や、シューマンの《ライン》でしょう。ヴォーン=ウィリアムズには《南極交響曲》なんて猛吹雪が出てくるスペクタキュラーな大曲があるけれども、ライン川から覗き込むキラキラとした水面と緑の木々を感じさせる"川"が主役のクラシック曲の方が涼しさを感じます。
このライン川のそこには三人の人魚の姉妹が住んでいます。ラインの乙女たちと呼ばれている彼女たちは、ある夏の終わりに一人の勇ましい青年に会いました。欲しかったのは青年が指にはめている愛する人から、けして誰に渡してもいけませんと言い聞かされた指環。この輝く黄金の指環はライン川に眠る黄金から削り出されたもので、"愛を得るものには破滅が訪れる"という呪が掛けられていたのです。ラインの乙女たちはそれを青年に上手に説明することが出来ないで、勇ましい青年は綺麗なものを欲しがって群がってきたのだろうと相手にしませんでした。
仕方在りません。このラインの乙女たちは深いライン川の底で3姉妹だけとしか意思疎通をしたことがなかったのですから。毎日歌を歌って楽しく暮らしていた"マイ・ルール"の乙女たちにとって、地上の青年とどう接して良いのか考えたこともありませんでした。
結局青年は、唯一の弱点である背中の1点を槍で射貫かれて絶命してしまいます。勇ましい青年の名前はジークフリート。
夏季限定と言う事は無いけれども、作曲家が夏の間だけ上演されることを想定して書き上げた上演に4日かかる連作オペラ。舞台祝典劇《ニーベルングの指環》はライン川の底から黄金が削り出されて、指環が出来る過程を描いた《ラインの黄金》。指環は何処へ行ったのか!?神々は地上を探し回ります。ジークフリートの母親を騒然とした世界から守り抜いたブリュンヒルデが、命令違反で火の山に封じられるまでをスペクタクルに描いた《ワルキューレ》。そしてジークフリートの幼少期から青年になるまでの冒険記さながらの《ジークフリート》。そして、手に入れた指環と名馬"グラーネ"と共に旅に出て志し半ばで亡くなってしまいます。これはやがて《神々のたそがれ》を招くのでした。これら4つのオペラは"春夏秋冬"を象徴しているようにも思います。
《ジークフリート》での"森のささやき"。《神々のたそがれ》でジークフリートに指環を頂戴なと言い寄るラインの乙女たちとの会話シーンは涼しさを感じます。
『お前たち、水の中でそうしていないでここまで取りに来いよ』とジークフリートは、陸へ上がってくるように誘いますが人魚には叶わぬ事です。
震度5を越えているところもあるようで、東日本の皆さん大丈夫ですか?ちょっと長めに感じられた揺れだったそうで目覚めた方も多い様子。ぶり返しなどに心配で直ぐ寝直せない心境では無いでしょうか。そうだったら、朝までは時間があるけれども食事を作ってゆっくり食べてみてはいかが?
朝になる前に急変が起こったら大変。
熊本は何事もなかったのですが、空気がピーンと張っています。以前桜島が噴火した時の様。それで朝ご飯をすませました。
辛子明太子とチキンカツとふりかけ。
台風が来るってニュースの時や、地震が起こった時に母が夜のうちにおにぎりを支度していたのを思い出しました。朝になって作ることができなくなっているかもしれないし、急に用事が増えることになるかもしれない。そうした時は夜中につまみ食いをしてもしかられなかった。子供としてはワクワクするピクニック前のような思いをしていたのを思い出しました。
盆踊りに踊る音頭で、あなたの地域独特の楽曲って在りますか?ご当地ソングという事では無くて、何時の頃からそのまま使っているのかなと言うような音頭。
わたしの子供の頃の盆踊りは歩いて数分のところにあるお寺でした。小学生の頃の夏休みの宿題などを、そのお寺の本堂でみんなと一緒に良く通っていました。盆踊りの時もレコードプレーヤーに興味を持って、若いお坊さんとおしゃべり。レコードのゴミはどう落としたら良いのだろうとか、盆踊りの合間に掛けるレコードを持っていったり。
その時のレコードは、中学生になってもお寺から聴こえていました。そうやって、アニメの放送は終わってもお寺からは夏になると、とあるアニメソングが聴こえていました。
そうした事って良くあるんじゃないかしら。どうでしょう?あなたの街にそういう曲はありませんか?
おと年、母の納棺をお願いに行った時暫く住職さん家族とお話ししました。すると廊下の隅に昔のレコードが残されているという事でした。どうぞ、持って帰られて良いですよ。と言われたけれども、ずっと残されるものならお寺に預けているのも良いかもしれない。
夏休みになったばかりで熊本博物館は子供たちがいっぱい。7月例会、第279回蓄音器でレコードを楽しむコンサートは沖縄から講師として、山城政幸さんが解説者の小浜司さんと三味線演奏家の牧野晃明さんをおつれくださいました。生憎夏休み最初の日曜日でしたから館内はイヴェント盛りだくさん。いつもの会場が使えなくて、プラネタリウム前の展示スペースでのコンサートになりました。
吹き抜けスペースでのコンサートとなりましたので音響は結構響きました。SPレコードの再生音や三味線の演奏は随分広く聴こえていたという事でした。意外だったのは解説の間は聴こえることはなかったそうで、「合間合間が長く静かでしたね」と一番近い特別展示室で"九州新幹線全線開業記念事業 サンゴ礁の化石たち"の展示担当者の方から聴く事が出来ました。
コンサート中は感じませんでしたけれども確かに録音を聞き返すと反響が大きいものでした。マイクを通しての解説は良く聴き取れますが、音楽は多少残響が大きい。それが臨場感には成りましたがオープンスペースなので子供の声なども録音されています。牧野晃明さんの三味線の演奏もムービー撮影しています。
コンサートの様子を分かって頂ける好機になればと期待しています。8月、9月は第279回蓄音器でレコードを楽しむコンサートの様子を録音とムービーで整理していきます。
気温31度、湿度58%。午後4時12分、熊本の天気は曇りです。青空全体に薄く白い雲、遠くには入道雲が見回せるので感覚的には晴れ。太陽の陽射しはギラギラで蝉は休む様子なく鳴いています。汗は滲むぐらいでべたっと肌が吸い付く感じ、風はレースのカーテンは動かすことはないけれども、出入り口の暖簾は揺れています。肌の表面を撫でる風で、腕に頬を寄せるとひやりと気持ち良い。
8時の「おひさま」のあとは、あさイチにさだまさしさんが出演。歌も1曲披露。途中ゴミ収集車の物音がしたような気がして慌ててプラスティックゴミを出して、ひと息。暫くしたら眠くなったけれども1時間ほどで目が覚めました。水分補給とシャワーをあびたりで短い昼寝で充分だったようです。
烈しい運動も出来そうな気もするけど、これは暑さで感覚が鈍っていることもありそう。
悪魔のトリル・・・このタイトルは、曲は聴いたことがないけどフレーズとして頭の何処かにあるって人は少なくないでしょう。もしかしたら実際の曲以上に凄いイメージに膨らんでいるかもしれませんね。確か小学生の頃に読んだマンガに似たようなタイトルであったように思います。山岸凉子・・・じゃなかったか?
ドゥランテが教会音楽で名を広めた音楽家であるならば、器楽曲の鬼才は《悪魔のトリル》を作曲したタルティーニでしょう。ヴァイオリン協奏曲の終楽章が余りにもエキセントリックで、そのフレーズを悪魔に教わったというエピソードがある曲です。夢の中に悪魔が出てきて、けして人に聞かせてはいけないと弾いた曲を楽譜に残したとか。わたしはこの話と、落語の『死に神』が重なって仕方がありません。SPレコードに録音が少なくないことから、作曲されてからずっとクラシックの寝物語に残り続けてきたのでしょうね。
CD: Tartini: the Violin Concertos
古楽の楽しみ −18世紀中頃に活躍したイタリアの作曲家−(2) 7月26日放送
解説:今谷和徳
「バイオリン協奏曲 イ長調 D.108」 タルティーニ作曲 (9分24秒)
(バイオリン)フェデリコ・グリエルモ
(演奏)ラルテ・デラルコ
(バイオリン、指揮)ジョヴァンニ・グリエルモ
<Dynamic CDS 613/1-2>
「モテット“主よ、わたしはあなたに感謝します”から」 ガルッピ作曲
(ソプラノ)ヴェロニク・ジャンス
(カウンターテナー)ジェラール・レーヌ
(バス)ピーター・ハーヴィー
(演奏)エル・セミナリオ・ムジカーレ
<Virgin classics VC 5 45030 2>
「バイオリン協奏曲 ハ長調 D.12」 タルティーニ作曲 (14分38秒)
(演奏)ラルテ・デラルコ
(バイオリン、指揮)ジョヴァンニ・グリエルモ
<Dynamic CDS 613/1-2>
究極のアナログとまでは装飾しないけれども、この音は聴いて驚きました。mp3 に変換した音だけれども、SPレコードの再生音だとは思われないでしょう。SPレコード固有の音はシュラックという盤の材質によるもので、鉄針が音ミゾを削る時に発します。SPレコードも昭和初期、昭和10年頃、20年頃、30年頃と、或いはレコード会社の違いでシュラック音が静かなレコードもあります。SPレコードと蓄音器を楽しむ会で聞いて貰っている、ローゼンタールのショパン:ピアノ協奏曲がそうした極上盤の1つ。
でも、これには目から鱗でした。
確かにトスカニーニや、ストコフスキーがレコーディングに夢中になるはずですよね。彼らは市販されてわたし達と同じレコード盤を聴いて、レコード普及を推進したので無くスタジオのテスト盤を聴いての事だったのでしょうからね。
センターホールが2つ開いているのはご愛敬。再発売盤などには穴の大きなものや数ミリずれているレコードはざらにありました。
さて、この音は何時の音?
1940年代の78回転盤=SP盤の再生音です。33回転盤=LPレコードの静電気音よりも不純音の少ないクリアな音の正体は、メタルマザー盤だから。片面プレスの12インチです。デジタル化するには板お越しの方が良い、マスターテープからの方が良い。そのような議論の余地が無いって感じ取りました。
コンゴのレコード。だからこそ、70年以上のメタルマザーが残っているのか第二次世界大戦でレコードを避難させるゆとりがあればSPレコードの認識は変わっていたかもしれませんね。
Matrix Number: J2172
歌ったら罰金を350ドル取られたというニュース。それとも、歌いたかったから罰金を払った?
ウルフマザーのフロントマンであるアンドリューが、地元オーストラリアのパブで泥酔してステージに上がり、演奏していたバンドからマイクを取り上げてビートルズの“Let It Be”を即興で歌ったという。そこで少し小競り合いが起こり、店はアンドリューを追い出そうとしたが店の通路に座り続けたので、駆け付けた警察官によって逮捕、彼は一晩警察署に留置され、350ドルの罰金が科せられたとのことだ。
お店ではウルフマザーのアンドリューって誰?って感じだったのかもしれない。グループは知られていても、グループでない時はソロだ。ステージで演奏していたバンドはお金を払って、お店から時間を貰っているんだろうから臨機応変に一緒にステージを盛り上げようとしなかったんでしょうね。これが一緒に楽しんでいたのなら「ウルフマザーのアンドリューがプライヴェートで歌を披露」という楽しい話題になるのでしょう。19世紀のフランスのサロンではもてはやされても、ショパンが現代のパブでピアノがあるからって上機嫌でプレイされても他のお客は萎えちゃうよね。素晴らしいステージでしたね、と労う人は居ないだろうね。